『アザレアに捧ぐ』

SOLD OUT

綻ぶ蕾



【2023年3月9日追記】使用しているパーツが廃盤となったため販売停止となっています。再販は未定です。

ツツジ色に輝くスワロフスキーが美しいエレガントなブレスレット＆リングです。

ワンタッチで簡単に着脱できるマグネットクラスプは、忙しい朝にも時間を取りません。紛失がご心配な方は着脱しやすく脱落の心配もないクラスプがオススメです。オプションにてご選択いただけます。

現在では販売されていない希少なスワロフスキーを使用しています。スワロフスキーの在庫がなくなり次第、廃盤または貴和クリスタルへと移行します。(貴和クリスタルとは、貴和製作所がスワロフスキーの代替として制作しているガラスストーンです。スワロフスキーに劣らない輝きを持つ高品質なガラスストーンです)


パーツは全て、信頼出来るショップで購入した上質なものを使用しています。ひとつひとつ丁寧にお作りしておりますが、ハンドメイド作品ですので工業製品とは異なる部分がございますことをご理解くださいませ。

商品到着後一週間以内にご連絡をいただいた場合は無料で修理をさせていただきます。それ以外の場合でも、パーツ代と工賃をいただいて修理をさせていただくサービスも行っております。お困りの際にはお気軽にご利用くださいませ。

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ありふれた花だ。どこにでもあるこんな花に思い出を作ってしまったばかりに、どこへ行ったって忘れさせてはもらえない。艶やかな黒髪に、濃いピンク色の花が良く似合う。こんなにも華やかな色をしているのに、決して派手な花ではないところが、なんとなく彼女に似ている。

偶然見かけた彼女は、濃い躑躅色の口紅がよく似合っていた。あの頃の地味な服装とは似ても似つかない、綺麗なスカートを翻して彼女は去る。

華やかな装いは似合わないだなんて、とんだ思い違いだった。美しい躑躅色に惹かれて買い求めたは良いものの、彼女には似合わないだろうとしまい込んでしまったあの時に、僕らの運命は既に分かたれてしまっていたのだ。蕾は僕など居なくとも、自らの力で花開いた。

派手な女は嫌いだと思っていた。だけど変わり果てた彼女は美しかった。僕の勝手な劣等感で、花開こうとする蕾を無理やり押しとどめようとしていたにすぎない。

ありふれた女だ。特別な才能などないのだから、なぜ無理に仕事などしようとするのか分からなかった。愛しているからこそ、何不自由ない生活を送らせてやりたかっただけだ。それが間違いだったと、今更になって気付くなんて。

特別であることより、才能があることより、自分自身の意思でなにかを為そうとするその姿こそが何より特別で美しい。ありふれた一輪の躑躅が花開く様を、愚かなばかりに僕は見逃した。そのことをきっと僕は、一生悔やむだろう。