『夜は菫青石』2wayブレスレット

夜の帳が落ちるように



宵闇を砕いて磨き上げたような美しいアイオライトのブレスレットです。チェーンを外して2wayでお使いいただける他、外したチェーンも自由に使っていただけます。

天然石の紹介 ••✼••┈┈┈┈••✼

アイオライト(菫青石)
角度によって色が違って見える多色性を持つ宝石。仄暗いグレー、深いネイビー、まるで夜の帳が落ちるように姿を変えます。

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パーツは全て、信頼出来るショップで購入した上質なものを使用しています。ひとつひとつ丁寧にお作りしておりますが、ハンドメイド作品ですので工業製品とは異なる部分がございますことをご理解くださいませ。

商品到着後一週間以内にご連絡をいただいた場合は無料で修理をさせていただきます。それ以外の場合でも、パーツ代と工賃をいただいて修理をさせていただくサービスも行っております。お困りの際にはお気軽にご利用くださいませ。

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私が全てを犠牲にして求めた未来は、もっと美しくて価値のあるもののはずだった。白い壁に囲まれた小さな世界の外には、見たこともないものがたくさんあるのだと思っていた。私ははやく大人になりたかった。

憧れの大人へと近付いてゆくほどに、走る速さにも、歌の上手さにも、覚えた文字の数にも、あらゆることに点数がついて、人間の価値に数字がつくようになっていった。一方で、他人の役に立つ以外の方法でよく生きようとする試みや、なんの役にも立たない美しいだけのものを生み出すことには、点数がつかないことも知った。点数だけが私の生きた軌跡となり、数字だけが生きる意味となるこの世界で、私はどこまでもそれを積み重ね、そして――――

積み重ねた数字を踏みしめ昇りつめた先で見た景色は、グレーの壁に囲まれた見慣れた景色だった。どこまで上り詰めても、ここからは出られない。私はこんな数字なんかを集め昇りつめるよりも、地べたに這いつくばってでも、何の役にもたたない綺麗な石をこそ拾い集めて生きるべきだった。私にしか出来ないことなどなくても、私しかやらないことをして生きるべきだった。

青空はブルーレースアゲートで、夕焼けはサンストーン、夜は菫青石。白い壁の隙間を覗いてみれば、美しい宝石はどこにでも転がっていた。どうしてもっとはやく気付けなかったのだろう。私の価値はテストの点数などではなく、あの日破られた一枚の絵や、あの日誰にも聞かせられなかった言葉や、あの日完成させられなかった一枚のワンピースや、あの日諦めた全てのほうだった。あの味気ない白い壁に囲まれた中ではなくて、私の全てを夜に閉じ込めて、大きなひとつの宝石にしよう。そうしてそれを、ただひたすら美しいだけのアクセサリーに仕立てよう。それこそが私の、生きた証になるのだから。